RTミドルウェアの講習会を受けてきたので復習(1)
12/2は国際ロボット展の初日でしたが、 この日産総研にてRTミドルウェアの講習会がありましたので参加してきました。
その復習&備忘録を含めてAdventCalendarの3日目、4日目はこれをテーマにすることにしました。
RT-ミドルウェアとは
RT-ミドルウェア (RTM)とは、RT要素のインテグレーションのためのミドルウエアのことで、 RTはRobot Technologyの略になります。RTは具体的には、単体のロボットだけでなく、さまざまなロボット技術に基づく機能要素 (センサ、アクチュエータ, 制御スキーム、アルゴリズム、 etc....)も含んでいます。
このRT-ミドルウェアにおけるソフトウエアの基本単位をRT-Component (RTC)と言います。 ここでもRTCということになります。
これからのWebエンジニアはRTCという言葉に出会ったとき - webRTC - RealTime Clock - RT-Component の3つの可能性があるということに気をつけてくださいw
さてなぜこの概念が必要かというと従来のシステムでは、 例えばジョイスティックでロボットのアームを動かしたい時、ジョイスティック側のソフトウェアとアーム側のコントロールのソフトウェアが必要です。
しかし、現実的にはロボットはたくさんありインターフェースは色々で、互換性が無ければつながりません。 ですのでRTミドルウエアというもので別々に作られたソフトウエアモジュール同士を繋ぐための共通インターフェース をつくることで ソフトウェアの汎用性、再利用性の向上し、システム構築が容易になるという思想のもとにつくられています。
モジュール化のメリットとRTコンポーネント化のメリット
モジュール化のメリットは以下のとおりです。
- 再利用性の向上:同じコンポーネントをいろいろなシステムに使いまわせる
- 選択肢の多様化:同じ機能を持つ複数のモジュールを試すことができる
- 柔軟性の向上:モジュール接続構成かえるだけで様々なシステムを構築 できる
- 信頼性の向上:モジュール単位でテスト可能なため信頼性が向上する
- 堅牢性の向上:システムがモジュールで分割されているので、一つの問 題が全体に波及しにくい
また、それに加えてコンポーネント化すると以下のメリットが生まれます。
- ソフトウエアパターンを提供:ロボットに特有のソフトウエアパターンを提供することで、体系的なシステム構築が可能
- フレームワークの提供:フレームワークが提供されているので、コアのロジックに 集中できる
- 分散ミドルウエア:ロボット体内LANやネットワークロボットなど、分散システ ムを容易に構築可能
モジュール化によっていろんな問題が解決!
モジュール化によってどのような問題が解決されるでしょうか?
モジュール化により、再利用可能になるのでロボットの開発が低コスト化され「コストの問題」の解決されます。
次に、システム開発者にとって常にコンポーネント化された最新の理論・ アルゴリズムといった最新技術を利用可能することができるので「技術の問題」の解決されます。
そして、これらはカスタマイズが容易なので多様なユーザによる多様なニーズに対応できるという「ニーズの問題」が解決されます。
こういった問題を解決することでロボットシステムインテグレーションによるイノベーションが可能になるのです。
長くなったので、続きはまた明日。