AIコミュニケーションロボット「Musio」の発表会に参加しました
11/18に東京21cクラブ(新丸ビル)で人工知能コミュニケーションロボット「Musio」の発表会に参加しました。 Musio(ミュージオ)は機械学習と自然言語処理を行うテクノロジー企業「AKA」により開発されまして、 「MUSE」というAIエンジンが搭載されています。
以前にIndiegogoでクラウドファンディングしていました。ちなみに私もこちらでポチっています。
- Indiegogo MUSIOのファンドページ
www.indiegogo.com
AKAのCEOのレイモンド氏。
AKAのMachine Learning Director ジェイコム氏
オープンハードウェアそしてAIエンジンが搭載されたMusio
AKAはアメリカ・韓国を拠点に人工知能を開発している企業で、AKA独自に開発したAIエンジン「MUSE」を搭載したロボットがMusioです。
ほかのロボットの比較
AKAのMachine Learning Directorのジェイコム氏は、プレゼンで鉄腕アトムとの比較とP-Robot(Pe◯◯erでしょ?)との比較を挙げました。
アトムは「物体認識、顔認識もできるし、60もの言語を話すことができ、レーザーキャノンとマシンガンもある」というのに対し、
Musioは「物体認識、顔認識はかなり精度が高く英語も話せる(現時点で)」と劣らない部分を見せ
でもさすがに「レーザーキャノンとマシンガンはないよ」とのことでした(笑)
次にP-Robotとの比較においては
外に出すには、P-Robotは30kg近くもあるので背負わないといけない(それも無理だと思いますが。。。)が、
Musioは簡単に持ち出せるよと、
また非常にリーズナブルなので、会社、学校でみんな手にすることができるよとのことでした。
(まあ、ここはアイスブレイクの部分だと思いますが)
Musioのマイルストーン
AKAはMusioについて、次の3つのマイルストーンを掲げています。
「教育コンテンツ」としてのMusio
AKAはMusioの1つ目のマイルストーンとして「PCラボのようなMusioラボを作る」と掲げ、
AKAのCSOで日本法人代表のブライアン氏は、英語教育の重要なポイントとして
- 英語教育の充実化
- 早いうちから身につける
- コミュニケーション能力をつける
をあげ、それにぴったりのロボットがMusioというとのことです。
具体的には、いままでのリーディングのみの書き込み式、穴埋め式のテキストでから リスニング、スピーキングに焦点を当て、絵本、カードなどのリーダーデバイス「Sophy」を使ってMusioとコミュニケーションしながら習得するというスタイルを提案しました。
具体的には「Sophy」を絵本の特定のポイントに当てると「この絵は何という?」的な質問をMusioが投げかけ、英語で答えるというものです。
また学習の情報はスマホアプリで管理ができ、いままでの勉強の履歴を一覧で見ることが可能とのこと。また、Museによって一人一人の蓄積された情報をもとに、AIがその人に合った適切な勉強方法を提案してくれるとも言っていました。。
「IoT Hubとしての」Musio
2つ目のマイルストーンとして「IoT HubとしてのMusioを確立させる」ことをあげ、 Musioがインターフェースとして家電、車、電気、あらゆるもののハブになることをあげました。
IndiegogoのプランのDev Kitはそれを自作できるものとして提案していると思いますし、その回答としての一つに「Sophy」があると思います。
実際にプロモーションムービーで連携しているものがありました。
「本当の友人」としてのMusio
3つ目のマイルストーンとしてMusioは人々にとって「本当の友人」としての存在になることを掲げました。
AKAのCEOのレイモンド氏も、プレゼン時に「鉄腕アトムやドラえもんのような友達になるロボットに興味を持ち、いつか作りたい」「究極的には意思と感動を分かち合える友達のようなロボットを作りたい」という想いを述べています。
先日、大阪で行なわれた「連舞アイディアソン」でヴイストンの大和社長はロボットには「ペットのような相方を目指す」と言ったことをおっしゃってましたが、それに近しいことだと思います。 私も同感で、ロボットに正確なデバイス機能を求める以上に「どう愛着を持って自分にとって近い存在にするか」というところが求めらるべきだと考えています。
「連舞アイディアソン」の様子はこちら(ロボットスタートさんのブログより) http://robotstart.co.jp/news/robot-x-renv-ideathon-report.html
デモ
実際のデモでは ジェイコム氏がMusioとのコミュニケーションのデモ、ブライアン氏が英語教育のデモを見せてくれました。
- コミュニケーションのデモ
- 英語学習のデモ
デモをみると実際のネイティブのような発音でないとなかなか認識してくれなさそうです。 実際に質問ではそれでは、「子供にとってハードルが高いのでは」とありましたが、 逆に片言の英語ではネイティブに通用する様な英語スキルは身につかないのではとも思います。
もっとも非常にバランスが難しいところではありますが、、、
おまけ
今回の発表会ではそのほかに次の様なものも披露されました。
日本仕様で檜の躯体のMusio
檜(ひのき)のボディを持った “Musio for JAPAN”が披露され、特別販売されるとか。 (個人的にはこれは日本人向けでなく、日本(和)が好きな外国人にウケるのではないでしょうか)ダースベイダーMusio
受付にはダースベイダーMusioがいました。先日のハロウィンでの仕様でつくられたそうです。ノベルティ
参加者にはミニMusioとステッカーがもらえました。スタッフパーカ
スタッフは全員このパーカを着ていました。カワイイですね。英語の質問リスト
このほかにも質問リストがありました。これを話しかけるとMusioが答えてくれるというものです。
Musioの技術について
ベース技術について
ベース技術としてArduinoとMuseをあげていました。なので学習箇所はMuseで制御部分はArduinoの技術をつかっている ということでしょうか。
Androidのタッチディスプレイ
さて今回初披露されましたMusioですが、 顔の部分はAndroidのタッチディスプレイが採用されているようです。
そしてAndroidのネイティブアプリが走っているとのこと、 (ということは学習エンジンとか音声合成とかを無視すれば、 タブレットとマイコンボードで「なんちゃってMusio」なるものは作れるのかなと思いました。)
リーダーデバイス「Sophy」
ペアリングしている状況が見れなかったので通信がBluetoothなのかzigbeeなのかWifiなのかはわかりませんが、 Arduinoが入っていてそこからセンサで取得した情報をあげているのかなと思いました。
さらに気になるのがどうやって本から情報を取得しているのかということですが、 絵本をみると細かいドット(点)が散らばっていた。このあるポイントを読んでいるかもしれません。 (この技術仕様については後日改めて考察したいと思います)
音声認識
ブライアン氏のデモではネイティブの発音ではないため、うまく認識されませんでした。 そこで、音声認識のエンジンで何を使っているかが気になりました。 ディスプレイの表情はAndroidのネイティブアプリが走っているということなので、Androidでデフォである音声認識を使うことも可能です。 それとも独自のエンジンを使っているのか。
これは入手したら考察してみたいと思います。
ちなみに発表会後のタッチアンドトライでは周囲のノイズのためうまく認識されないという状態でした。 これを気にする人がいるかもしれませんが、 これは別にPepperでもPalmiでも同じで、大イベント向きではないためノイズが大きい場所ではうまく認識されないのは普通です。 もし、イベント向けならマイクも一方向からのものが有効です。
クラウドとの関係性
アプリで学習結果を見れることから、この部分はクラウドを利用しているのがわかります。
コミュニケーションのところでどう使われているかは不明でした(つまりクラウドで学習しているのか、Musio本体で学習しているのか) MUSEについてよく理解していなのですが、人が話しかけると、Musioはその言葉に応じて「MUSE」から返事のデータを取得して、もし取得できなければWeb(つまりクラウド)にアクセスして答えの回答を見つけるということなので、「MUSE」はMusio本体にあるのでしょうかね。この辺がよくわからなかったです。
というわけでMUSEについて勉強する必要がありますね。
以上ではありますが、 Musioはサイトで$599(72,000円)で予約中のことで、ぜひ購入を検討していてはいかがでしょうか?
- Musio Webサイト
themusio.com
2016年6月配送予定とのことですが(生産日程によって早まる可能性あるとのこと)、 とにかく届くのが楽しみです。